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Posted by TI-DA at

「越境広場」2号(2016.7)

2016年08月16日/ 本のこと

>> 「越境広場」2号 << の特集は以下の3つです。

特集1.越境者たち/ひとびとの流紋
特集2.東松照明 光と風の旅人
特集3.詩と思想

越境広場002

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巻頭の言葉

南部の野山で あけがたに ずらりとそろって カチャカチャカチャ
骨たちが踊る カチャーシー
半分になった頭蓋骨ふりふり 苔の生えた足の骨曲げて カチャーシー
これは俺の腕の骨ではない でも今となってはどれでも同じ
どこの誰だか 気にする者などいはしない
とにかく骨が集まって 踊ることだけが俺たちの楽しみ
みすぼらしい姿を忘れ 木の枝を踏み鳴らして ひたすら踊る
カチャカチャカチャ
太陽が輝き出すと くさむらに横たわらねばならない
それから始まる長い長い一日 でも俺たちはいつまでもここにいる
ここで殺されたと証明するために 殺したやつらを忘れないために
やつらが今何をしているか知るために
簡単に拾われて 神社にまつられたりしない
そのうち生きている人たちと踊るのだ 野山から街に繰り出して
俺の得意な三味線をかき鳴らして 島いっぱいにカチャーシー(後略)

芝憲子詩集『骨のカチャーシー』より
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Posted by ブックスマングルーブ店長 at 13:17Comments(0)