店長は読書ツー

  

「けーし風」第89号の特集は「沖縄からつなげる世界」です。




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特集にあたって（岡本由希子）

「戦後70年」の年の暮れに、駆け込みで日韓両政府は外相会談において旧日本軍の「慰安婦」問題を「最終決着」させると合意した。
米国は即座に歓迎のコメントを発表。
しかし、この「妥結」は、歴史認識問題を解決することで同盟を強化するというアメリカの強いイニシアティブのもとですすめられてきたものだということは周知となっている。
当事者の頭越しに強権的に進められる正義や公正を欠落した「合意」が、人びとの怒りとさらなる混乱を招き、真の「解決」を難しくさせることは必定である。

今回の特集は、アメリカの「アジア回帰」政策がアジア・太平洋地域にもたらしている影響の一端を抽出した前号の特集「グローバル軍事化を拒否する草の根の動き」の問題意識をさらに展開させるとともに、環境・平和・人権を求める人びとの声を、どのような回路で世界につなげていくことができるかを実践的に学びたいと思って企画した。

アメリカのアジア・太平洋戦略の政策決定プロセスを注視し、どこに介入の余地があるのか、一緒にたたかうことのできる人びとがどこにいるのか、この秋たて続けに起きた、バークレー市議会の辺野古基地建設反対決議や「島ぐるみ会議」訪米団の活躍、ベテランズ・フォー・ピースの沖縄訪問といった動きの背景には草の根で一つひとつ積み重ねて来た土台があることを想起しながら、ともに考えたいと願う。
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