「けーし風」第78号(2013.3)「特集 島々の未来に軍事的緊張はいらない」
2015年10月10日/ 本のこと
「けーし風」第78号の特集は「島々の未来に軍事的緊張はいらない」です。
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特集にあたって(鳥山淳)
日々のニュースから流れてくる「沖縄県尖閣諸島の周辺海域」というフレーズを聞くたびに、その地理的な空間に向けられているまなざしは何なのか、と考えてしまう。
それを島々の「危機」として喧伝する言葉からは、そこに暮らす人々や地域の姿が、不思議なほど欠落している。
にもかかわらず、関心の高まりを「好機」として受け止め、それに乗じて地域社会の構造を作り変えようとする人々の動きも姿を現しており、これまで軍事的緊張とは縁遠かった人々の間にも、それは暗い影を落とし始めている。
だからこそ、島々とそれを取り囲む海が戦いの場となった日々を想起し、あってはならない事態をあえて想像しながら考えることが求められている。
そして、人々が真に考えることを可能にするためには、地域が抱えてきた課題をめぐって、問題意識を共有することが求められている。
そのとき、人々のつながりが海によって断ち切られることのないように、私たちの視野を隔てる境界線を乗り越えていく努力が、求められているように思われてならない。
この特集によって伝えられることは限られているが、継続的に考えるための手がかりを見出してもらえれば幸いである。
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特集にあたって(鳥山淳)
日々のニュースから流れてくる「沖縄県尖閣諸島の周辺海域」というフレーズを聞くたびに、その地理的な空間に向けられているまなざしは何なのか、と考えてしまう。
それを島々の「危機」として喧伝する言葉からは、そこに暮らす人々や地域の姿が、不思議なほど欠落している。
にもかかわらず、関心の高まりを「好機」として受け止め、それに乗じて地域社会の構造を作り変えようとする人々の動きも姿を現しており、これまで軍事的緊張とは縁遠かった人々の間にも、それは暗い影を落とし始めている。
だからこそ、島々とそれを取り囲む海が戦いの場となった日々を想起し、あってはならない事態をあえて想像しながら考えることが求められている。
そして、人々が真に考えることを可能にするためには、地域が抱えてきた課題をめぐって、問題意識を共有することが求められている。
そのとき、人々のつながりが海によって断ち切られることのないように、私たちの視野を隔てる境界線を乗り越えていく努力が、求められているように思われてならない。
この特集によって伝えられることは限られているが、継続的に考えるための手がかりを見出してもらえれば幸いである。
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Posted by ブックスマングルーブ店長 at 08:00│Comments(0)