「けーし風」第60号(2008.9)「特集 歴史を語る磁場」

2015年10月08日/ 本のこと

「けーし風」第60号の特集は「歴史を語る磁場」です。

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特集にあたって(鳥山淳)

教科書検定による沖縄戦記述の変更に抗議して人々が終結した県民大会から、間もなく1年になる。そこで問われていたのはもちろん歴史教科書だけではなく、多くの問題が連なり、いまなお継続中である。歴史をめぐる議論が重要な社会状況を生み出すような磁場が、沖縄にはたしかにある。
おそらくその磁場の中心には、人々の経験がある。しかし、それを「沖縄の経験」と呼ぶべきかどうか、そのような共通の基盤がどれだけ存在しているのか、あらためて考えなければならない時期に差しかかっていることも事実だろう。昨年姿を現した巨大な磁場には、どのような経験が流れ込んでいたのか、いなかったのか。そこからどのような経験が伝えられていったのか、いなかったのか。考えたいことは山ほどある。それを自己の経験として受け止めるのか、他者からの問いかけとして向き合うのか、あるいはより重層的な関係を想像しつつ考えるのか、それぞれの姿勢もまた大切だ。
この特集は、歴史の特定の極点を凝視していくような構成にはなっていない。歴史を眼差す自己と現在を強く意識しつつ、しかし自由に射程を広げていく議論から、さまざまな経験が浮かび上がり、伝わっていくことを期待したい。
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Posted by ブックスマングルーブ店長 at 20:00│Comments(0)
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