「けーし風」第71号(2011.6)「特集 放射能汚染時代に向き合う」

ブックスマングルーブ店長

2015年10月10日 01:00

「けーし風」第71号の特集は「放射能汚染時代に向き合う」です。

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特集にあたって(鳥山淳)

3月11日を境にして、確実に何かが変わりつつある。
その変化がどのような深みを持ち、どのように沖縄という場とつながっていくことになるのか、現時点でそれを見通すことは難しい。
しかし少なくとも、日々の生活と「国策」との関係をめぐって、多くの人々の意識において変化が生じていくであろうことは、想像に難くない。

3月11日を境にして「大量破壊兵器」となった福島第一原子力発電所は、いまだに膨大な放射性物質を抱えたまま、それを日々垂れ流し続けている。
言うまでもなくこの破局的状況は、大地震と巨大津波によって突如として現れたものではなく、現地の社会を押し潰し、都市住民の無関心を奨励しながら、半世紀以上にわたって築き上げられてきた「国策」によって生み出されたものである。

終わりの見えないこの状況は、おそらく福島という地名とともに語られていくことになるのだろう。
しかし、いくつもの「国策」が生み出し続けてきた禍根と、未来に横たわる惨事の影を直視するとき、この状況を語る言葉が否応なく帯びてしまう地理的な限定を超えていく想像力が、やはり必要なのだと感じる。
そのとき、大量破壊兵器が装填され続けている沖縄という場から、そして沖縄という場とともに考えるべきことは、尽きないだろう。
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