「けーし風」第20号(1998.9)「特集 沖縄の労働事情」

2015年10月06日/ 本のこと

「けーし風」第20号の特集は「沖縄の労働事情」です。

けーし風021

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特集にあたって(新崎盛暉)

沖縄の労働問題が論じられるとき、まず指摘されるのが、全国平均のほぼ二倍に達する失業率である。
失業率の高さは、賃金水準を押し下げる力として作用するが、一方で、公務員の賃金は、制度的に全国水準を維持している。

他方、若年層の失業率の高さにもかかわらず、若者の県内志向は強く、したがって沖縄県の人口増加率は高い。
その若者の県内志向を構造的に意識的に支えているものは何なのか。

沖縄は日本の経済の枠組みの中に組み込まれているわけだから、日本の経済構造と結びついた労働事情と多くの面で共通性をもつ。
童子に特殊沖縄的要素も強い。
米軍基地の存在と、歴代政府の基地維持政策はその代表的なものだろう。
それは、基地労働者の比率の高さのみならず、基地維持政策関連諸事業のありようを反映して、さまざまな社会的経済的問題を生じさせる。

このような状況を、数量的俯瞰的に、また、現場の個別的実態に即して直視することなしには、沖縄社会の将来像を構想することはできない。
この特集は、そのためのささやかな試みの一つである。
もとより、とりあげ切れなかった問題、深められなかった論点も少なくない。
この特集をきっかけとして、多くの読者の紙面参加をえて、論議が持続的に発展していくことを願っている。
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Posted by ブックスマングルーブ店長 at 20:00│Comments(0)
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